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医療の現場で取り入れられているQC手法とは?

PDCAサイクルについて

「PDCAサイクル」とは、PLAN(計画)DO(実行)CHECK(点検・評価)ACTION(改善)の頭文字をとった略語で、業務を効率的に行い、さらに継続して循環させていくことを目的にしているビジネス社会の基本形であり、ISOにも応用されている考え方となります。
ACTIONを「実行」「行動」と考えている人もいますが、この場合の「ACTION」とは、次のPLANにつなげる「改善」を意味すると考えます。

つまり、DOによっておこる「効果」「問題点」「課題」をCHECKによって明確にすることで、業務効率を上げる要素をさらに高めたり、逆に下げる要素を取り除くことで、効率化を循環させていくというものです。

QC手法とは

PDCAサイクルに似たものに「QCサークル(小集団)活動」という生産性の向上を目的にした業務改善手法があります。
QC(QUALITY CONTROL)とは品質管理を意味していますが、QCを徹底することでPDCAサイクルが整うということがわかっています。
その結果、生産性の向上にもつながるとして、企業が生み出す粗付加価値、利益の増大の為の運動にまで発展しました。

このQCは医療現場でも使われ、紙カルテの収納方法を50音順から、患者番号の下2桁で区分けするターミナルデジット方式に変更したところ、再診時のカルテ出しの時間が大幅に短縮され、結果「待ち時間の短縮」「診療時間の増加」「診療の質が向上」「受診者の増加」と様々な効果を生み出しました。
このように、QC手法を医療の現場にも導入されるようになりました。

QC手法の活用方法

ODCAは4つの工程ですが、このQCの場合は「テーマ選定」「現状把握」「目標設定」「要因分析」「実行」「効果確認」「歯止め標準化」とかなり活動の工程が細分化されています。

電子カルテを例にすると、「文字入力はキーボードで、リストからの選択はマウスによるクリックで、いちいち持ちかえると時間がかかる」という「テーマ選定」「現状把握」がされ、時間短縮を「目標設定」にして、どうしたら時間短縮ができるかという「要因分析」をします。

続いて、患者1人当たりのカルテの入力時間とマウスの持ちかえにかかる時間を測り、全てをキーボード入力に変更するという「実行計画」へと進めていきます。
このQC手法の課程におけるポイントは「効果の確認」です。
全ての取り組みが成功するとは限りませんが、思うような成果が出ない時は、さらに「要因分析」を行う等、新しい対策を生み出しながら業務効率を向上させていきます。

PDCAサイクルもQC手法も共通して「手順の改善」が本来の目的であり、「人を増やす」「仕事を減らす」という提案はその目的からは外れてしまいます。
あくまで、仕事の方法論の見直しをいう考え方ですので、円滑な業務運営について今一度QC手法を用いて検討してみてはいかがでしょうか。