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やっかいな「アトピー」の原因が判明!

アトピーの原因

人は痛みよりも痒みに対してよりストレスを感じると言われていますが、強い痒みのあるアトピーに苦しむ方は、原因がはっきりしない上、有効な治療法もないのが現状でした。

そのため、長期間対処療法をし続けるしかなく、常にアトピーを意識して生活を送ることを余儀なくされています。
原因はダニやほこり、食べ物、繊維、紫外線など、原因を特定する事が出来れば対処の仕方もありますが、原因が特定できない場合予防する事も難しく、治療も特定できないのです。

ところが、近年アメリカの国立衛生研究所と慶応大学の共同研究により、アトピー性皮膚炎の原因が特定されました。
それは、皮膚表面にもともと存在する菌が、異常に増えた特定の菌によりバランスを崩したことが原因であることが判明したのです。
その菌の中には黄色ブドウ球菌がありますが、誰もが持っている菌として知られています。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は増えすぎると食中毒の原因にもなりますが、手指に膿瘍やささくれなどの怪我がある場合増殖します。
抵抗力が落ちると増える菌で、アトピーが悪化するとより増えるという特徴を持っています。

つまり、健康な状態では大人しくしている菌ですが、母体の状態が悪化するにつれ悪さをする厄介な菌なのです。
増えすぎる事で肌にダメージを与えるため、菌が繁殖しない様抑える事が出来ればアトピーは改善することがわかりました。

マラセチア菌

誰もが持ってる菌のことを常在菌と言いますが、黄色ブドウ球菌の他にもいくつかあり、アセチア菌もその一つです。
皮膚の養分をエサに棲息している微生物で、ニキビの原因菌の一つとしても知られています。
また犬の外耳炎の原因菌としても知られており、私たちの生活の身の回りに存在するポピュラーな菌なのです。

黄色ブドウ球菌同様、増えすぎる事で肌を傷めつけるため、増えすぎない様コントロールする事が必要です。
こうした常在菌が増える原因には、抗菌ペプチドが少ない事が挙げられます。

アトピーの治療

抗菌ペプチドを増やすためには、肌の保湿が重要です。
皮膚の生まれ変わり、つまりターンオーバーが正常であれば抗菌ペプチドは充分に生成されますが、乾燥したりターンオーバーがスムーズでない場合に減少し、常在菌を増やしてしまうのです。

アトピーの治療に有効な治療法として、抗菌ペプチドを増やすためにビタミンDを摂取したり、保湿をし紫外線を予防し、皮膚のターンオーバーを正常にすることができれば徐々に改善していくわけです。

しかしながら、即効性はありません。
黄色ブドウ球菌などアトピーの原因菌に効く抗生物質の投与により、特定の菌が異常増殖する事なく、皮膚の表面はバランスの取れた状態を取り戻すことができるのです。