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「うつ」は食事で改善できる?

医師に多い「うつ病」の現状

ある調査報告によると、医療の現場では、日夜人の命に関わる医療にはげみ、食事の時間を削って業務にあたる等、相当なストレスが溜まりやすい職業である医師は、うつ病にかかりやすいという結果だったそうです。
うつ病は「生真面目で責任感が強い性格」に、過剰なストレスが加わることによって発症するとされています。

主な治療方法は「薬物療法」と「休養」となりますが、他にも「環境を変えること」「頑張りすぎない」といったストレス環境の対処法を行うことがありますが、医師という職業柄、休養をとったり環境を変えることは難しいのが現状のようです。

食事による「うつ」の改善策とは

「うつ病」は現代病とも言われ、ストレス社会において大きな問題となっています。
そんな中、「食」によるうつ病の改善が注目されています。
「食」は人が生命活動を行う為になくてはならないものですが、日本人の食の欧米化により、砂糖や油の多い料理やファストフード、加工食品を多く食べるようになりました。
このような栄養バランスの悪い食生活が、うつ病リスクを高めるという指摘がなされています。

うつ病は、脳内の神経伝達物物質であるセロトニン不足が原因とも言われており、セロトニンは睡眠や精神安定に関わる物質で、不足すると睡眠障害、不安感等の症状に陥りやすくなります。
セロトニンは体内では生成できない物質ですが、必須アミノ酸「トリプトファン」から作られますので、食事からこの物質を摂ることで、うつ病改善につながると言われています。

アメリカ・コネティカット州のイェール大学の研究によると、血中のトリプトファン濃度が減少するとうつ症状に陥りやすくなり、トリプトファンを投与するとうつ症状が改善されるとの報告もあります。
また、国立精神神経医療センター病院でも、うつ病の対策として糖分や加工品は控えて、トリプトファン等を多く含む魚や豆類、野菜、果物等を含めバランスの良い食生活をするようにと勧めています。

更に、うつ病患者に少ないとされるビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やす乳酸菌飲料・緑茶の摂取も推奨しており、実際に効果をあげているそうです。

トリプトファンを多く含む食材

トリプトファンは1日6000mg以上摂取すると肝臓に障害が出る可能性がありますので、サプリメントは避け、食べ物から摂取するとよいでしょう。
トリプトファンを多く含む食べ物には、牛や豚などの赤身肉やレバー、ナチュラルチーズ等の乳製品、カツオやマグロ等の青魚、すじこ、たらこ等の魚卵、豆腐や納豆等の大豆・大豆加工品、バナナ等があります。
トリプトファンはごはんやパン、麺類等の炭水化物と一緒に摂ると吸収力がアップします。

さらに、ビタミンB6や鉄分を一緒に摂ることで、セロトニンが効率的に合成されると言われていますので、食事に上手に摂り入れるとよいでしょう。