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インフルエンザの予防接種の効果について

インフルエンザの予防接種の効果

厚生労働省によると、国内で用いられるインフルエンザワクチンは、感染を完全に阻止する効果はないけれども、インフルエンザの発症の予防対策や、インフルエンザ発症後の重症化や死亡を予防することについて、一定の効果が期待できるとされています。

ワクチンが有効かどうかについて、報告によって幅がありますが、「インフルエンザワクチンの効果に関する研究」によると、65歳以上の高齢者について、約4割の発病を阻止し、約8割の死亡を阻止できる効果があったとの報告がされています。

また、「乳児に対するインフルエンザワクチンの効果に対する研究」によると発熱について見た場合において、1歳以上6歳未満の幼児では、約2割程度の発病阻止効果があると報告されています。
この2つの研究報告から、インフルエンザ発症後の重症化や死亡を予防することに関して一定の効果があるという見解がされています。

ワクチン製造株の選定時のポイント

現在、インフルエンザのワクチンはA型2株、B型1株の3種混合したものが作られています。
毎年どの株にするか、まず日本の国立感染症研究所が世界各地でインフルエンザウイルスの観測をして、その年の流行株を予測しています。

流行が予測される株の中から増殖性、免疫原性等が検討され、血清疫学データと合わせて選定し、最終的には厚生労働省がその年のワクチンを決定します。
国立感染症研究所は、このWHOを中心とした世界規模でのウイルス監視によってされる予測は制度が高いとしています。

予防接種は賛成派?否定派?

インフルエンザの予防接種の反対派が支持する研究として「前橋レポート」と呼ばれるものがありますが、これは、1980年代に群馬県前橋市の医師がインフルエンザワクチンの効果に不信感を持った為に、集団予防接種を中止したその根拠を示す為に自分たちで調査し結果をまとめた報告書になります。

30年前の研究であり、当時はインフルエンザか風邪かを判断する高い精度の方法がなく、37度以上発熱し、2日以上学校を休んだ場合にインフルエンザと定義されていました。
また、接種した地域としていない地域の比較においても、接種地域には接種率が50%未満の場所を含めている等、いくつか問題点があることも事実とされ、「前橋レポート」だけで予防接種は有効ではないと証明するには不十分であるとされています。

インフルエンザの予防接種について諸説ありますが、感染阻止や発症予防に100%効果があるとは断言できなくても、高齢者や乳幼児、基礎疾患を持つ人は、入院や死亡等の重篤化を防ぐ為には有効であると考えられます。
感染拡大を防ぐ為にも予防接種を受けるべきだと言えるでしょう。